アジングに適した時期・場所・時間帯・潮とかの話

アジングに適した時期・場所・時間帯・潮

アジはいつでもどこでも釣れるわけではありません。今回は私の経験から感じたアジングの釣れる条件を紹介します。なお、こういった条件は国内の地域によって大きな差がある可能性があります。私のメインのフィールドは九州北部なので、このことも付け加えておきます。

アジングの時期

一番アジングで釣れる時期はなんといっても厳冬期です。秋も深まる11月から翌2月までの、一年で一番寒い時期がアジングのベストシーズンです。このことを知るために、私は年間を通してアジングに出かけます。実際に釣ってきた結果として、真冬の時期が最もよいアジングシーズンと言えます。

アジングの時期
1月 釣れる(シーズン)
2月 釣れる(シーズン)
3月 シーズンほどではないけど釣れる
4月 型も数も減ってくる
5月 × あまり釣れない
6月 × あまり釣れない
7月 × あまり釣れない
8月 × あまり釣れない
9月 気温が下がり出すと釣れる
10月 シーズンほどではないけど釣れる
11月 釣れる(シーズン)
12月 釣れる(シーズン)

こうして見ると、1年のうちおいしいシーズンは真冬の4ヶ月くらいです。釣り人にとって一番辛い寒さを覚悟する必要がありますし、冬期は冬型の気圧配置で風も強い傾向がありますが、アジングで型・数ともに最高潮に達するのは真冬です。

アジングに適した場所

アジングに適した場所は漁港です。漁港にもいろいろありますが、一番いいのは水深があり入り組んだ漁港です。常夜灯の有無は関係ありません。中アジ以上を狙う場合は特に、明るすぎないほうが釣れます。真っ暗のボトム付近をメインに、いろいろな深さを丁寧に探っていきましょう。こういった中でも狙い目となるのは、船道の駆け上がりや防波堤間の流れがあるような場所です。投げた仕掛けのボトムへの到達時間や、流れ方などの情報を手がかりに、海中の変化のある場所を探します。

アジングの時間帯

アジングでアジが釣れる時間帯は夕まずめから朝まずめまでの夜間です。昼間は釣れません。

夕まずめは比較的明るい時間帯に訪れます。アジングの夕まずめの開始時間の目安は、太陽が西に傾いてきたら、握り拳を作って腕を真っ直ぐ水平線に向けて伸ばし、水平線と太陽の間に握り拳が丁度入るくらいの太陽の高さです。夕まずめは日没の後1時間ほど続きます。日が暮れるとすぐに真っ暗になりますが、アジが釣れ続けている間は夕まずめが続いています。1日に2度しかないチャンスなので、できる限り釣り続けましょう。

朝まずめの開始時間帯の目安は、天気予報による日の出の時間の1時間ほど前です。まだ真っ暗ですが、突如として海に生命感が増してきて、アジが釣れ出します。朝まずめは夕まずめと違い、時間でしか開始の予測が出来ませんし、相手は自然なので時間通りとも限りません。できれば天気予報の日の出時刻2時間前くらいから、朝まずめに備え積極的に探っていきましょう。朝まずめの終了時間の見分け方は簡単で、水平線から太陽が僅かでも見えたら終了です。その途端にアジは全く釣れなくなります。

このように、アジングは日没とともに始まり、日の出とともに終了する釣りです。夕まずめが過ぎた後の朝まずめまでの夜間帯は、入れ食いとまではいきませんが、アジは釣れ続きます。真っ暗な海中を相手に、いろいろなパターンを試しながらコツコツと釣り上げていくアジングも深夜の楽しみです。夜間は腕の見せ所。存分に自分の引き出しを試しながら腕を磨きましょう。また、朝まずめに備えて仮眠を取るのも忘れないようにしましょう。

潮汐・潮位

釣りは大潮が一番釣れるとか耳にしますが、アジングに至ってはこれは関係ありません。大潮だろうが大潮じゃなかろうが、釣果にはほとんど影響しません。逆に大潮だと干潮時に潮位が下がりすぎて釣りにならない場合もあります。

潮位については、満潮時間帯と干潮時間帯は食いが渋ります。満潮や干潮で潮が止まっている2時間ほどは、まずめでない限り休息をとるのも良いでしょう。満潮と干潮の間の潮が動いている時間帯のほうがアジはよく釣れます。中でも一番釣れるのは、満潮前の潮が満ちてきている時間帯です。

その日の潮の状態や時間帯については天気予報が役に立ちます。しかし潮の満ち引きは特に、今いる場所の海岸の地形や海底の様子によって大きな誤差が生じます。海水という巨大な流体の複雑な動きは、場所ごとに正確に予測することは困難で、天気予報でさえ満潮や干潮の時間は目安程度でしかありません。満潮や干潮で潮がピタリと止まる様子は、その場にいる自分が自分の目で判断するしかありません。天気予報の干満時間はあくまで目安と考え、最後は自分の観察力と感覚で判断しましょう。

その他の要因

その他の自然要因として釣果に関わってくる要因がいくつかあります。アジングが成立するのか、安全なのかといった面から、これらの要因も考慮しましょう。


アジングの仕掛けは軽く、アタリも繊細なので風は大敵です。釣行期間中の予報風速が4mを超えるような時は、釣行の中止も検討します。細かな風速や風向予報で役に立つのはYahoo!天気の釣り情報です。また、横風だと釣りにくいので、釣り場での釣る方角に対して横風になりそうなら、風速3mでも中止を検討します。追い風や向かい風なら3m程度まではなんとアジングになります。理想的なのはもちろん無風で、Yahoo!天気予報なら風速欄が静穏になっているときです。無風の予報は少ないので、チャンスを逃さないためにも是非釣行したいものです。

雨や雪

雨や雪では道具が濡れたり、雨合羽を着て不快な思いで釣らなければなりません。アジングそのものは雨や雪でも関係なく成立しますが、人間の快適性からできるだけ避けたいものです。

雷は釣りの大敵です。見晴らしのよい場所で長い竿を使う釣りは、落雷の危険が高まります。非常に危険なので、雷の予報があるときは釣行を中止します。また、釣行中に雷の警報が出たり、実際に雷鳴を見聞きした場合にはすぐに釣りを止め安全な場所に避難します。(私の経験談は恐怖 釣り中のカミナリでプチ感電で詳しく公開しています。)

波高

防波堤での釣りなので、多少の波高では影響を受けません。波があってもアジは関係なく釣れます。基本的に波高の予報が3m以内ならOKです。波が高すぎると波を被ったりさらわれて事故になったりする恐れもあるので注意しましょう。

地震

地震で津波の警報の速報が出たらすぐに高台に避難します。また、大きな地震の直後は余震も考えられるので、地震が落ち着くまでは釣行を自粛しましょう。

濁り

アジングでは海水が濁っていると釣れません。漁港の近くに河川がある場合、雨の後などではかなり濁る場合があります。こういったときは濁りが落ち着くまで待ってから釣行しましょう。

漁港の浚渫(しゅんせつ)や改修工事

定期的に船道を掘る浚渫や、漁港の改修工事では海中が引っかき回され、周辺の生態系が壊滅します。こういった漁港は、数年経って生態系が回復するまで基本的に釣れません。その場所は寝かせておく気持ちで、別の漁港ポイントを開発しましょう。

漁船の出入り

せっかくアジが釣れる場所でも、夕まずめや朝まずめのゴールデンタイムに休み無く漁船が目の前を行き来するような漁港では釣りになりません。漁港は私たち釣り人にとっては趣味の場所、しかし漁業従事者にとっては生活の場です。何事も漁業関係者が優先と考えて、漁船が来たら仕掛けを巻き上げて船が通り過ぎるのを待たなければなりません。漁船の往来の時間帯は季節によって(漁船が求める魚によって)違います。あまりにも釣りにならないほど毎回漁船が往来が激しい場合には潔く別の場所を探しましょう。

最後に

以上が私のこれまでのアジング経験による釣れる条件です。私の場合、これらの条件を満たせばほとんどの釣行で満足のいく結果が出ています。皆さんもそれぞれ、いろいろな条件下でアジングをしてみて、その結果を蓄積し、より結果の出るアジング条件を見つけ出しましょう。

グッドラック!